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都市化は市場のルールに従って

長江商学院ニューヨークキャンパス
ナレッジシリーズ「中国の新・都市化」好評のうちに終了 



過去数十年にわたる大規模な都市化は中国に目ざましい経済発展と生活レベルの向上をもたらした。昨年、国務院は国家新型都市化計画(2014-2020年)を発表し、健全な都市化に向けた方針を示した。この計画の遂行にあたっては、古い行政システムに起因する問題が障壁となる可能性もある。

今回のナレッジシリーズはこの「新・都市化」をテーマとし、米中関係全国委員会と連携して開催した。会場のニューヨークキャンパスには米中関係全国委員会のスティーブ・オーリンズ会長をはじめ、中国の今や中国経済のダイナミズムに関心を持つ人々が集まり、北京師範大学・新興市場研究院院長で経済学博士のHu Biliang教授の解説に耳を傾けた。

人口移動は市場のルールに従うべき

1949年に10.6%だった中国の都市化率は2013年には53.7%まで上昇。しかし、大規模な都市化は多くの問題を引き起こす原因にもなりました。例えば2.7億人の農民が都市部に流入しましたが、現行の制度ではそこで戸籍を持つことができません。また、広大な農地が建設用地へと転用され続けています。新計画はこれら2つの問題を解決し、人間本位の開発を行うために制定されたのです。

戸籍制度の改革、社会的な疎外や差別の解消と持続可能な都市化を行うには、政府主導一本槍ではなく、政府と市場が協調しながら開発を進めることが肝要です。

戸籍制度改革には市場のルールを反映することが必要でしょう。まずは人々が小都市に転入しやすいようにし、中小都市での戸籍管理システムを整えます。同時に大都市の開発を進めていけば、そちらへの転入にも対応できるようになります。

それゆえ最終的には目標と矛盾する結果となるかもしれません。しかし労働力移動に対する行政の制約は徐々に変革が必要となるでしょうし、戸籍制度は開かれたものになり、市場と価格シグナルが人口移動を決定してゆくべきと考えます。

グローバル化した主要都市の行政メカニズムを考察すると戸籍制度は自由市場に委ねられるべきだと思います。例えば、多くの人々がチャンスを求めてニューヨークやロンドンにやってきます。能力の有無に関係なく、暮らしたければ、部屋を借りて生活するだけの職を得られるかどうかが問題です。



中国の都市化問題について語るHu教授


古いやり方が"ゴーストシティー"を増殖させる

政府主導の都市化は市場を無視してきました。街を造ってみものの、人が転入してこない。中国各地に発生したいわゆる"ゴーストシティー"は、市場の力を過小評価してきた結果なのです。

今回の計画の背景には、街が産業と雇用を生み出す環境をつくり継続的な発展ができるよう都市化のスピードを緩めること、また、人為的な新都市を生み出してはいけない、という意向があります。農民を疎外する一方で他の人々には特権を与え社会的不平等を生み出してきた旧弊の是正が必要です。また、新計画では緊迫している二酸化炭素吸収の評価を行っていません。これらは常に最適化されるべきものです。

過去の都市化は歴史や文化、各都市の個性を顧みることがありませんでした。住居を取り壊し人々を転居させ、文化的な拠り所を破壊した結果、どこも同じような街になってしまったのです。これを教訓に、よりよい街づくりが進められることを願います。


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長江商学院は、トップレベルの学術及びビジネスエリートコミュニティとの相互交流を通じ、社会変革の触媒となり新たなビジネス文化を発信していきます。ナレッジシリーズは対話促進のために中国に関連する最先端の知見や視点を紹介するシリーズで、本学のニューヨーク校教授陣、世界トップレベルにある各種団体・組織と連携し、毎月、中国やアジアで話題となっている題材を選びレクチャー、ディスカッションなど様々な形式で開催します。

※本記事は下記を翻訳・編集したものです。

http://english.ckgsb.edu.cn/news_content/urbanization-should-be-led-market-rules

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