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いまやハリウッド映画は米中合作があたりまえ

「アイアンマン3」や「ワイルド・スピード SKY MISSION」など米中合作のハリウッド映画が増えている。その背景を探った。

今年上半期の話題作で、日本では8月5日公開予定のハリウッド映画「ジュラシック・ワールド」は封切りの週末に、興行成績5億米ドルと言う途方もない数字をたたき出した。なかでも中国は、一か国で9,900万米ドルを売り上げている。ハリウッド作品の中国での公開はアメリカの後が通常だが、本作は中国のほか、アジアおよびヨーロッパの主要8都市でアメリカ本国より3日早く公開されている。英語を公用語としない中国でこのような戦略をとるのは、配給元のユニバーサルピクチャーズがマーケットとしての中国を非常に重くみているからだろう。

いまや映画産業にとって中国はアメリカに次ぐ市場だ。中国のエンターテイメント産業に特化したコンサルティング会社、エントグループによると、中国では2014年に前年を36%上回る47.6億米ドルの興行収入を記録。その54.51%は308の中国作品、残りが80本の外国作品となっている。最高となった「トランスフォーマー/ロストエイジ」は中国本土だけで3億米ドルを記録した。エントグループは2014年の映画関連産業は110億米ドルを超える規模になったと推定している。

とはいえ中国の映画市場に食い込むのは決して易しくはない。中国政府は国内産業保護のため外国映画の配給ライセンスの発行を制限しているからだ。2012年までに適用されてきた年間20作品の制限は緩和されているものの、いまだ年間34作品にとどまっている。
しかし、作品が中国との共同制作で、例えば中国でのロケシーンを挿入する、登場人物の一人を中国人にする、中国企業が1/3以上の出資を行なっていれば、政府の最終判定に委ねられるとはいえ、"外国映画"とされることを回避できる可能性は高い。中国企業と「アバター2」の制作を行っているジェームス・キャメロン監督はハリウッドリポーター誌に「中国人のナヴィ(アバターに登場する先住民族)が登場してもいいし、英語が話せる中国人俳優を登用してもいい。」と語っている。ハリウッドは儲かるマーケット、中国の存在をもはや無視できなくなっているのだ。 

先に挙げた「アイアンマン3」や「ワイルド・スピード SKY MISSION」、「トランスフォーマー/ロストエイジ」も例外ではない。本社を北京におくDMGエンターテイメント、パラマウント映画、マーベルエンターテイメントの共同制作作品、「アイアンマン3」には中国向け特別編集版がある。通常盤にはないワン・シュエチー扮するウー博士のエピソードが挿入され、ファン・ビンビンがウー博士の助手として登場している。ウー博士が伊利牛乳と鍼でアイアンマンを復活させるという場面には賛否両論あるものの、中国だけで1億900万米ドルを売り上げている事実にかわりはない。「ワイルド・スピード SKY MISSION」は中国との共同制作で、特に中国を連想させるシーンはないにもかかわらず3億8900万米ドルの興行収入を上げている。

マイケル・ベイやジェームス・キャメロンのような有名監督はすでに中国とハリウッドの共同制作を念頭に置いているが、それはまだ序の口だ。「ブロークバック・マウンテン」「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」で2回オスカーを獲得しているアン・リー監督は「グリーン・デスティニー」の続編、「グリーン・デスティニー2」の制作を行った。これはワインスタイン・カンパニーとチャイナフィルムグループの合作で、北米ではこの8月に公開予定となっている。また、2016年にはドリームワークスと上海のジョイントベンチャー、オリエンタルドリームワークス(ドリームワークスアニメーション、チャイナメディアキャピタル及び上海メディアグループ、上海アライアンスインベストメントが出資)が制作する「カンフーパンダ3」が公開予定で中国語吹き替え版も用意されているという。

今回紹介したのはほんの一部に過ぎず、今後はより多くの映画が米中で共同制作されることになるだろう。

本記事は下記を翻訳・編集したものです。
http://knowledge.ckgsb.edu.cn/2015/06/19/movie-industry/china-and-hollywood-shake-up-the-box-office/

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