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「iLEAD」米国モジュール 無事終了 -フィラデルフィアとニューヨークで10日間にわたり研鑽を積む-

長江商学院、コーネル大学ジョンソン経営大学院(Smith Family Business Initiative)、ネクストオポーチュニティーグループ、US-チャイナパートナーズが提携し、東洋と西洋の叡智を集結したユニークな次世代リーダーシップ開発プログラム「iLEAD (Intergenerational Leadership Entrepreneurial Accelerated Development)」の米国モジュールが無事に終了した。

本プログラムは下記について知見を深めることを目的としている
* 同族経営を行っていく上でのアントレプレナーシップとイノベーションの重要性
* 同族会社のグローバライゼーション
* 米中間におけるビジネス手法
* 財産と付加価値、創業家との関係を深める
* 財産の継承方法について
* クロスカルチャー環境におけるリーダーシップとマネジメント
* ネットワーク、現実的なビジネスチャンスの構築



企業訪問:ハイアール・アメリカではミクCEOも加わり議論を深めた
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今回は米国モジュールの中から、パネルディスカッションの一部を抜粋してご紹介する。

パネルディスカッション(1)テーマ:創業者の遺産を継承するということ
トピックス:創業世代からの遺産継承手法。継承成功と失敗例の差。長期の同族経営に成功しているオーナー一族に学ぶ点。失敗を避けるポイント。理事会とその効果的な運営手法。

パネラー
E. Paul du Pont III
世界的な化学メーカーの創業家で、現在3,400名を擁するデュポン一族の8世代目。一族はすでにデュポン社の経営権を手放しているが株式を所有している。デュポン一族の総資産は2014年時点で150億米ドル。

Andrew Pitcairn
Pitcairn家理事会会長。アメリカの化学メーカー、PPGインダストリーズの前身となる、ピッツバーグ板ガラス共同創業者の直系子孫。Pitcairn家は1986年に最後の株式を売却している。現在、一族には650名以上が認定されており、2014年の資産は16億米ドル。

モデレーター
Dennis Jaffe
多世代型オーナー企業と共にガバナンスや次世代リーダーシップ開発、一族の財政などを管理するファミリーオフィス開発などを行ってきた。組織コンサルタントと臨床心理士でもあり、同族企業カウンセリングのスペシャリストとなっている。


Jaffe氏は100年の歴史がある創業家70家族に行ったリサーチより継承成功へのポイントを導きだしている。殆どの場合7つの共通点がみられると述べた。

デュポン氏とピトケアン氏はそれぞれの一家の歩みを説明。デュポン氏は、火薬製造に始まり、今日知られる化学メーカーへ発展した経緯から順応の重要性を強調した。
一方で、ピトケアン氏は1923年から続くファミリーオフィスについて説明した。また、世代間コミュニケーションの重要性について触れピトケアン家理事会がうまく機能していると述べた。

参加者からは"一族"の適用範囲、創業者世代が継承にむけた環境をどう醸成してくべきか、などの質問が出された。

パネルディスカッション(2)テーマ:創業者の承継に対する考え
トピックス:二代目への継承にあたってのキーポイント。二代目継承にむけてのステップ、もしくは承継が難しい場合の事業売却。承継の有無にかかわらず、子孫のための財産構築手法。

パネラー
Peter Cuneo
漫画のマーベル、ヘアケアのクレイロール、電動工具のブラック・アンド・デッカー、銃器のレミントンなど7つの企業で事業を好転させた。現在は、Colin氏、Gavin氏という息子2名と経営するクネオ&コーのCEOを務める。なお、Colin氏自身も本プログラムに参加。

Al Berg
1983年、世界最大規模となるアイウェアメーカー、マーションアイウェアを共同創業。その後、2008年にVSPに735百万米ドルで売却。

モデレーターー 
Jeremiah Schnee

Cuneo氏は、両親に学んだ「付加価値」、ベトナム戦争に海軍として従軍した経験がビジネスマンとしてのキャリアに活かされていると説明。収益好転に向けた持論を披露するとともに、二人の息子と6人の孫のために現役を続けていると語った。

息子のColin氏は、父、兄弟と共に事業に取り組むにあたっての関係構築、また、現場ではそれぞれの長所を活かして問題解決に臨んでいると説明。

一方で、Berg氏は2人の子供に事業を継承ではなく、売却を選んだ理由について述べ、妻、2名の子供、そしてその後の世代へ継承すべき財産構築について語った。

参加者からは、財産管理、新規事業のスタートアップ、事業転換が必要な企業の見極め方に至るまで様々な質問が出された。


パネルディスカッション(3)テーマ:寄附の価値
トピックス:フィランソロピーの重要性、チャリティや寄附についての中米間の文化の違い、次世代リーダーによるフィランソロピー文化醸成、フィランソロピーの形態と取捨選択方法など、同族企業におけるフィランソロピーについて考察を深める。

パネラー
Andrew Ho
コーダント・フィランソロピー・アドバイザーズ⋆所属フィランソロピーアドバイザー
⋆アジアでのフィランソロピーネットワーク構築を行っている

Amy Houston
ロビンフッド財団⋆マネジメントアシスタント兼アドミニストレーション担当ディレクター
⋆貧困と闘うニューヨーク最大規模の団体。理事が一般経費を支払い、寄付は100%活動に充当。過去25年で12.5億米ドルの支援を行っている。

Richard Marker
ニューヨーク大学教授、フィランソロピーアドバイザー。アメリカ国内外のフィランソロピスト、財団などと協働の経験多数。

モデレーター 
Jordan Goodman
金融ジャーナリスト。Fox系列のテレビ番組をはじめ、CNNやCNBC、CBSイブニングニュースにも出演中。

Ho氏は、アメリカでは2012年時点で約86,000のフィランソロピー団体が活動しているのに対し、中国では4,400団体にとどまっていると指摘。事業を継承していく中で、フィランソロピーは世代間の連帯を深める手段になると強調した。

ロビンフッド財団は助成金を変革のための「投資」と考えており、何に使われどういう変化をもたらしたか、数値で効果測定を行っている。Houston氏は、データを見て、こころざしに見合うプロジェクトに寄付するのが一番納得のいく手法と述べた。

また、Marker教授はフィランソロピーには、①同情や満足感からくる活動②戦略的な活動③組織的な活動の3段階があると解説。現在は組織的に寄付を募るというのが一般的だが、それぞれの段階に見合う方法があるとした。

 

それぞれのテーマについて白熱した議論が交わされた。それ以外にも参加者は、ハイアール・アメリカ、ナスダック、ブルームバーグやグーグルを訪問・見学した。特に、ハイアール・アメリカではCEO兼社長のミク氏自身が登場し、90分以上にわたりグループと議論を深めた。その他にも、チームでレーシングカーのコンディショニングを行う過程でコミュニケーションスキルなどを向上させるピットクルーチャレンジ、ピトケアン家の邸宅訪問、新作ミュージカル「Something Rotten」鑑賞やヤンキースの試合観戦などで参加者同士の交流を深めた。7月12日-22日の中国モジュールでは北京と上海を訪れ、さらに考察を深める。

この記事は下記を翻訳・編集したものです。
http://english.ckgsb.edu.cn/news_content/ilead%E2%80%99s-us-module-sets-strong-pace-preparing-next-generation-global-business-leaders#.Vcmonfm3Ff0

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